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勉強のやり方のヒント

1

効率的なやり方を考える

 勉強が好きな人はいるかもしれませんがほんの一握り。多くの人は仕方なくやっています。だからこそ、無駄をなくし効率的にやることが大事です。

 例えば単語を覚えるときどのようにしているでしょうか。テストなどで範囲を指定される場合、「端から端まで〇周」とやっているでしょうか。しかし、そもそもどうやって単語を覚えているのでしょう。赤シートで隠して意味を言えたらOK? しかし覚えたはずの意味がスペルと結びつかずに、テストでは×になってしまうケースはありませんか?

 

 ここで考えるべきはまず英語の性質です。英語は発音したときに初めて意味が出ます(アルファベットは「どう発音するか」を書き留めたものに過ぎません)。日本語の漢字とは正反対の性格を持っているのです。

 だからまず英単語が発音できることが第1段階です。次に、その発音に対して意味を覚える。こうすると「音と意味」がつながり、頭に入りやすくなります。それからスペルを覚えるのです。

 

 また、市販の単語帳は自分がすでに知っている単語と、知らない単語が混在しています。チェックや付箋などで工夫している人も多いですが、いっそのこと自分の知らなかった単語だけで単語帳を作ってしまったらいかがでしょうか。

 単語カードを使ってもいいですし、ノートに書き出してもいいです。ノートを使う場合は、赤ペンをうまく使って赤シートで学習できるようにしておきましょう。そして、「もう大丈夫」となったら単語カードならその部分を捨ててしまってOK。ノートなら消してしまいましょうか。

 そうすると自分が覚えにくい単語だけが残るので、それを重点的に覚えればいい。これで無駄な時間が省けます。

 

 ここでは英語の学習で一番時間のかかる単語について書きましたが、このように「どう学習したら効率的か」を考えながら勉強することが大切なのです。

2

集中力を保つ

 特に中学生によく見られますが、すぐに関係ない話を始める子がいます。明らかに集中力不足です。勉強をしながら別のことを考えているということですから、その割合が半々だったとしたら、勉強の効率は50%。仮に1時間勉強しても30分しかやっていないのと同じ効果しか得られません。実際はどうでしょう。「勉強以外のこと」を考えている割合の方が多いのではないでしょうか。

 

 また、少しでも嫌なことがあると、いわゆる「キレた」状態になり、何の反応もなくなる子が意外に多いです。「嫌なこと」というのは、何も厳しい言葉を言ったときではありません。間違っていたやり方を正しいやり方に直そうとしたとき、何度も同じミスを繰り返しているのを直そうとしたとき、自分のやりたい問題をやらせてもらえないとき……。ストレスを受けると「キレる」のです。この状態は、集中力がゼロになった状態です。

 集中力がなくなると、当然のことながら学習効果は下がります。集中力ゼロなら、勉強をやめて寝た方がいいです。集中力を付けることは難しいことですが、勉強の効果は「時間」だけでなく、「集中力」にも比例するのです。

 

 例えば音楽を聴きながら勉強するとき、どの程度集中できているでしょうか。「実際には音楽はほとんど耳に入っていない」という人は、音楽を聴く必要はないはずです。音楽に30%集中力を割いている人は、1時間のうち42分しか勉強していないのと同じです。それなら42分集中して勉強してから、18分+休憩時間で勉強のことを忘れて音楽を聴くなりゲームをするなり、好きなことをした方がよいのではないでしょうか。

3

問題集をフル活用するには

 ここでは「問題集の使い方」についてお話しします。問題集を正しく使って得られる効果を100%とした場合、問題を解いただけではそのうち10%くらいです。大事なのはそこからです。

 まず、「自分が何を考えてその問題を解いたのか」を忘れないうちに答え合わせをします。1ページなどと決める必要はありません。自分が問題を解いたときに何を考えていたかを覚えていることが大切です。それが正しかったのか、間違っていたのかを確認する作業は大切で、重要度30%くらいです。この時点では、正解を問題集自体に書き込まないようにしましょう。

 さて残りの60%はというと、「正解した問題の考え方は本当に正しかったのか」「間違ったところは何が違ったのか」「どうすれば正しい答えが出せたのか」を考えていきます。

 英語の問題でしたら、辞書や解説などを見ながら、まず問題文、選択肢の英文をすべて理解できるようにします。わからない単語はノートに書き出すなどして、後で見返せるようにしましょう(→これは「マイ単語帳」としてお薦めしています)。

 わからなかった問題は必ず解き直します。このとき、教科書や参考書、ノートや辞書などあらゆるものを使って、正解を導き出します。この部分がもっとも「頭を使う」ところであり、こここそが「勉強」と言える部分なのです。再び答え合わせをして、まだ間違っていたらもう一度。

 

 「何が違うのだろう」「なぜ違うのだろう」と自分で考え続けることこそが勉強の真の姿です。ここまでやったときに初めて問題集を100%活用できたことになりますし、自然に集中しますので学習の効率も上がります。

 「勉強はしているのに点数が伸びない」という人は、とりあえず○つけをして30~40%くらいで「やったつもり」になっているのではないでしょうか。効率が30%だとしたら、1時間やっても18分程度。そのうち30%を音楽に取られていたとしたら12分ちょっと。100%の効率、100%の集中力で1時間勉強した人とは大きな差が付いてしまいます。

おまけ

マイ単語帳のすすめ

(1)で書いた単語の覚え方の補足です。市販の単語帳は、自分の知っている単語と知らない単語が混在しています。また、単語帳にはないけれど意味を知らない単語もたくさんあるはず。

 教科書、参考書、問題集なんでもいいので、知らない単語や熟語に当たったら辞書などで意味を調べ、必ず「マイ単語帳」に書き込むようにします。学校や塾などでその時間がない場合は、とりあえず単語に印を付けておいて、家に帰ってから同じ作業をします。「前に同じ単語を書き込んだような気がする」などと考える必要はありません。何度でも書き込んでください。

 こうすると、「自分の知らない単語」だけが書かれた単語帳ができあがります。それを1日か2日ごとに覚えていくようにすれば、苦手な単語が減っていきます。中には何度も書き込まれている単語があるでしょう。それは特に覚えづらい単語なのです。

 

 市販の単語帳で知らない単語に出会うことも大切ですが、単語はなるべく文中に出てきた状態で覚えるのが理想です。マイ単語帳はその助けとなるものです。

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